天使のような悪魔の笑顔


ネタバレはするかもしれないし、しないかもしれない。















DVDマガジンVol.18を一青窈、違う、一通り見ました。
いつものように℃-uteらしい、実に素っ頓狂な一枚。見ていて、意識のどこかの何かがぐにゃりぐにゃりと曲がっていくような不思議な感覚を味わいました。ナカジマさんの奮闘にはペーソスすら漂いはじめ、笑いの中に切なさというスパイスをそっと振りかけてきます。


セレンはセイレーン、アシラは阿修羅、だよなぁ・・・そんなことをボンヤリ考えながらインタビューを見まして、なかなか興味深いコメントがあちこちにあって楽しめましたね。何やらリーダーに思うところのあるメンバーが何人か(笑)(泣)。
そういう間にもヲレ様のポンコツ脳は早くも薄れかけた劇の記憶にアクセスしたり、時々バグると動画探しを始めたり(謎)。自分、「集中力が高まると余計な方向に舵が勝手に切れていく」という妙な癖がありましてですね、それが往々にして誰もわからないようなつまらないネタとして昇華、いや消化され排泄されるわけです。ご迷惑をおかけしております。


℃-uteあるいはそのメンバーによる演劇方面の仕事を見るとき、自分の場合心理的によくある落とし穴が「役柄と本人の人格的相違点を消化するのに時間がかかってしまう」という戸惑い。寝るキューで例えると、神崎来夏と矢島舞美の間の距離を測るのに手間取ってしまう・・・という感じ。もっとも顕著だったのは、個人的にはロマヨロの真央かなぁ。『らん』も例外ではなかったわけですが、あの場合は二つの人格がこちらの意識の中で溶け合うことでより強く伝わるものがあった、という効果もありましたね。
いっそ「いやいやあれは俺の大好きな℃-uteちゃん、○○ちゃんでないはずがなかろう」といつもの調子のままで、終演後に同行者と最初にする会話が「どこのフリコピが難しいか」であるようでいられたら楽なんでしょうけどね。いや実際にいましたからね、ヲタTが何色だったかはメンバーの名誉に関わるからいえませんけど。


ところが。
今回は登場したその瞬間から、馴染み深い人物像が舞台の上の5人に被ってくることはなかったのです。それはもう、カーテンコールではサイリウムの使用が認められていたのですが、この「とにかく何かを派手に光らせる」ことが大好きな自分*1が点灯させるのを躊躇しましたからね。結局はグッズ売場で買ったケミカルだけ点灯させましたけど。


コスチュームの影響は否定しませんが、人間体でもそれは変わらなかったので、性急な判断は危険でしょう。校長はじめ他のキャラクターでも感じなかったのだから、雰囲気作りの演出が効果を発揮したか、こちらがようやく演劇を見る際の意識の準備を憶えたのかもしれません。もうちょっとわかりやすくいうと「慣れた」ってことね。
設定の妙も忘れちゃいけないところ。ここまでの設定を持ってこないと普段の印象というのは拭えないものか、とあらためて驚きますけどね。
そんな様々な要因はあるでしょうけど、ここは素直に「それぞれのキャラクターを自分のものにできた」と5人を評価していいんじゃないかと思います。


それでいて、そこかしこに「これは実際の℃-uteを下敷きにしたり意識したりしたのだろうな」というところもあったりなかったりで、全体としては℃-uteワールドに添ったものとして爽やかに締めくくられるわけです。なかなか多角的な楽しみ方ができるものだったと今さらながら実感しておりまして、せめてあと1公演どうにかならなかったか・・・と切歯扼腕しております。テイエムオーロラ総流しでも買っていればなぁ。



たとえば来年の初夏、衣替えの時期あたりに再演なんかがあると、成長具合が確かめられてより魅力的な公演になるかもしれない。
というか、幅広い層に受け入れられそうなストーリーでありキャラクターであるのだから、これをたった10日間、東京だけの上演で固定ファンだけに見せるというのは「もったいないおばけ」がSSAを500レベルまで埋め尽くすくらいもったいない。
こういうものを、ファミリーで気軽に見られるような仕組みってどうにか実現しないものかなぁ。たとえば「第一部:ミュージカル(15分くらい休憩)第二部:ライブ」みたいな構成の1日1公演で全国回るとか、昼公演を演技系・夜公演を歌って踊るものにして、ファミリー向けの2公演通し券を安く売るとか*2。いうだけならおカネかからないし会議も必要ないから好きなこというぞ。


とにかく、どうにかして一人でも多くの人に見てほしいんだよなぁ。もう平日開催しかないから勤勉な社会人の多くはどうにもならないと思うけど。勤勉という言葉に縁がないヲレはそれゆえに交通費もありませんわ(泣)。

*1:珍妙な小道具を用意するのも大好きです(笑)。

*2:転売目的の人が群がると意味がないから、近辺在住者優先の窓口販売のみにして住民票のコピーと代表者の写真付き身分証明書の提示を求める・・・くらいのことは、アナウンスを徹底することができればやってもいいんじゃないかな。