わるい子の歌謡曲(笑)

はろぶろ。』様。
長い上に文章がゴチャゴチャのグチャグチャなのでたたみます。


元々「『美少女心理』を昭和歌謡とはいわんだろ」という主張をしたのは僕なので、耳が痛いです。
僕も「昭和歌謡とは」という確たる根拠や知識があるわけではなく*1、強引だったかもしれないとは思っています。Berryz工房の『告白の噴水広場』をムード歌謡というのもそうですが、どうも「レトロ感のあるものはとりあえず『歌謡曲』『昭和』にしてしまえ」という短絡的な言葉に思えて*2、それに異議を唱えたかったわけです。「テイストを感じさせる」程度なら異論はないんですが、ほとんどイコールで結んでいるような言葉も見かけたりしたので、それはちょっと待てと。昭和歌謡と一口にいっても把握しきれないほどの様々なバリエーションがあるわけで、それ以上掘り下げた言葉になかなか出会えないのが残念という気持ちもあります。
強引な(と思った)例えに強引で返したのは頭の悪いやり方でしたね。むしろ「俺が聴いてきたものとは違うぞ」で押した方がよかったのかも。


昭和歌謡」(昭和の時代に流行した歌謡曲)というくくりは、音楽のジャンルなのに音楽で分けていないという点で「アイドルポップス」(アイドルとして売り出されている若い歌手が歌うポップス)くらい曖昧だと(だからこそ魅力があるとも)思っています。さらにいえば歌謡曲とは、ポップスとは、です。戦前には舶来音楽一般が大まかに「ジャズ」と呼ばれていたらしいです*3から、生物を動物と植物に分けて、さらに動物を哺乳類やら魚類やらその他モロモロに分けたくらいのものかもしれないな、とこれを書きながら思いつきました。


いぬいぬさんがおっしゃるような「警告」というニュアンスは、僕には感じられないんですよ。むしろ単に気分でいっているだけの人が多数であるような。たぶん僕の方に「若い人は古いものを聴いていない」「洋楽ファンだった(現在も洋楽を聴いている)人は歌謡曲を下に見てるからろくに聴いていない」という偏見があるんでしょう。これが洋楽コンプレックス(もしくは「洋楽を知らない」コンプレックス)というやつですかね。
それにしても警告と解釈するのは若干好意的すぎるかなと。「洋楽のエッセンスを感じさせるのが魅力なのにこれはなぁ」というのであれば、それは洋楽好きの意見だよ、と受け止めてしまいます。ハロプロファンに洋楽好きが多いというのは知っていますし、そういう人たちをも取り込んだことが一時の隆盛と現在までの継続に至っていることは否定しませんが。
そもそも洋楽の日本的解釈が歌謡曲なんだからそこは外してくれるなよ、という話ならわかります。あ、じゃあ警告でもいいのか。

これだけだとハロプロは5年と保たなかったでしょうね。

これは・・・まぁそうでしょうね。同じことをやって面白いのは2年前後が限界でしょう*4。ファンだってそんなに保ちはしません。実際に「だけ」じゃなかったから今があって、「だけ」になりかねない今もあるわけで。つんく♂氏も色々やりすぎでルーツを辿る余裕がなくて自分の引き出しから出してきてるんですかね。
ネタとして歌謡曲テイストを匂わせる(今のところはそう解釈しています)んじゃなく『美少女心理』も『告白の噴水広場』ももっとそっち寄りにすりゃよかったのに、とこれは歌謡曲好きの意見です。


松田聖子中森明菜以降を「歌謡曲の中でやりくりしている」というのにも若干の違和感をおぼえます。それまで歌謡曲と違うものとされてきたロック/フォーク/ニューミュージック系のミュージシャンが歌謡曲の世界で台頭してきた時代でもあったわけですが、一部を除けばやってることは筒美京平と大して変わらなかった(苦笑)、ということはないでしょうか。
コメント欄をリロードしたら意味がわかりましたが、それでも80年代モノを実際以上にネガティブにとらえられているのでは、と感じます。70年代だって「やりくり」はあったはずですから。
「外の血」を海外でなく国内で求めるようになった(楽をした?)ということはいえるでしょうね。


・・・歌謡曲というのはあまりに広すぎる世界*5で、難しすぎてうまく書けません。機会があったらまた扱うとは思いますけど、解答が得られるものでもないような気がします。

*1:幼少期〜思春期にテレビやラジオから流行歌を浴びるようにして育ったのでわずかの「蓄積」はあるかもしれません。その分(?)洋楽に関してはビートルズやクイーンの何曲かと『サティスファクション』『アイ・オブ・ザ・タイガー』『ラスト・クリスマス』くらいしか知りません。

*2:遡ればロック/フォーク/ニューミュージック系の人たち(のファンでスノビッシュな人々)が「○○は歌謡曲だから」「**は商業主義だ」と一段低いもののように言っていたのと同じニュアンスを感じます。

*3:小川真一『クロニクルを繙く前に、最初に定義しておこう 歌謡曲は「洋楽」である』(特集アスペクト39『歌謡ポップス・クロニクル』[1998/アスペクト]

*4:酒井法子がだいたいそのくらいでイメチェンを図って、「うまいなぁ」と思った記憶があります。

*5:上に挙げた小川氏の文章に「分別不可能なミクスチュアミュージックである」と書かれていて、妙に納得できます。