全国紙を買ったおっさん・その2

(このエントリは2/18に更新されました)



(承前)


界隈は非常に盛り上がったのですが、それにノ・れ・な・いTeen-age・・・違う、素直に同調できない自分というのを発見しちゃったわけです。
というのも、自分には基本的に迷いがありましてね。
从・ゥ・从<多くの人に知ってもらいたい
(オ゚Д゚)<そいつぁ結構なんですがねリーダー
(オ゚Д゚)<ブレイクとはバカに見つかることだって元猿岩石の人が言ってたらしいよ
(オ゚Д゚)<大衆というのはいつでも新しいオモチャを探すだけの移り気な存在なのだから
(オ゚Д゚)<ヲレとしてはそんな連中に君たちを差し出したくはない
という感じで、根っこの部分でリーダーと反対の立場をとるわけです。これはつらいぞ。でも譲れないのよ。
だってさ、外の世界の人々というのは、誰と誰の仲が悪いか、誰がどこを整形しているか、どんな男と寝てるのか、・・・そんな情報で事情通ぶって馴れ合いたいだけなんです。「プロの技」なんて興味ないんですよ。
邪魔でしょそういうの。そんな連中が抱くマイナスのファンタジーに貢献する役割は、他の会社とか他の国とかの人たちにお任せしてよろしいんじゃないでしょうか。
「芸能界」にコミットしてこの先生きのこるためには、避けて通れないのかもしれない。でもハローはようやくのことで「国民的アイドル」なんてうっとうしい看板を捨てて距離を置けているのだから、もうできるだけ関わってほしくない世界ではあるのよね。


みんな間違いのないプロフェッショナルなのだから、常に「プロの技」が求められる世界で生きてほしい。仕事に取り組む姿勢、その結果身につく技、表現するものを評価してくれる人々に囲まれていてほしい。今はかろうじてそれができていなくもないじゃないですか。塩田さん、太田さん、秦さん、アンドリウ、・・・音楽畑だとベボベの小出氏が筆頭かな。とにかくプロがプロの目と耳、感性と経験で評価してくれている。だからヲレとしては基本このまま進んでほしいわけですよ。
自分も「プロの技」を間違いなく評価できるようでありたいな・・・勉強しなくちゃいけないね。


芸を極めるというのは当人の努力だけでもある程度やっていけるものだけど、世の中に勢いよく出ていくには、悪い表現ばかりで申し訳ないけど「人転がし」に長けた「仕掛け人」みたいな人の力が要る。けれどもそういう人だって、「プロの技」とかどうでもよくて「この商品がどれだけの利益をもたらすか」にしか興味がないのであれば一切近づいてほしくないと僕は思っているし、そういう方面の他人の力で生きる岡井ちゃん、℃-ute、ハローであってほしくないのです。
「地位が人を作る」のも確かなことなんだけど、人間自分で積み上げたものの上にしか立てないものだから、自分の力で上がっていかないと上がってからが苦しいよ。


以上述べたような意味合いにおいて・・・


(オ゚Д゚)<下手にブレイクなんか目指すな!


(オ゚Д゚)<今よりいいことはそんなにないぞ!


そんなことをいってみるテスト。


从;・ゥ・从<いやー、どっちみちこのままでも先々そんなにいいことは(ry
といわれたら返す言葉はございませんがね。
出し物がいつも同じだと見ていて飽きるように、演る身だって観客がいつも同じだと「先へ進んでない」錯覚に囚われてモチベーションが保てないらしく、「もっと多くの人に」というのは自然なわけだから、そこは「いつもと同じ観客」の一人であるヲレに何かをいう資格はない。
ブレイクしちゃうのは大いに結構なことです。多くの人々から愛されるためにやっているのだから、そこに個人の好みが介在する余地はない。ただ上に記したように、君たちに関わらず誰であっても「多くの人々から愛される」、逆にいうと多くの人々が特定の対象を「愛する」ことなんてないぞ、という気持ちはある。
いや「対象に愛情を持ってるポーズは一人前だけど、実は自分以外の誰も愛していない」なんてのは、それこそヲレを含めた悪いヲタクさんたちの十八番でございますけどね。じゃあ何も変わりはないのか、ならいいや。よくないよ。
何にせよ、性急にコトを為そうとするのは考え物。焦るとヘンな大人に引っ掛かっちゃうしね。何の話だよ。
若干勢いのついている今だからこそ、警戒を怠りたくないものです。それで何ができるわけでもないんですが。


本音をいえば、仮にも音楽をやっているのだし、もっと「音楽界」に接近していってほしいのだけど、実はハローの場合かなり無理なのがこれ。なぜなら肝心の楽曲に関してボーイ縛りがあるから。社内のつながりを有効に使えば様々な可能性が一気に開けるだろうに、そこは企画モノ止まりのことしかやらない。
「誰に曲を提供してほしいか」なんてのがいっとき匿名掲示板の定番ネタになっていたのは、そういう可能性を見たいという人が少なからずいたってことだよね。
あの頃の固定客にはまだ「他のいい音楽、いいミュージシャンと積極的に出会ってほしい」って気持ちがあったけど、今の人々はそういう話もしなくなって、「何でもいいから有名になって俺の日陰者気分を払拭してくれ」という人ばかりになっているように見受けられる。そんなもん自分でなんとかしなさいよ。


とはいえ、音楽面での冒険はもう少しあってもいいんじゃないかとは思うわけですよ。ボーイ兄さんは頑張ってるけど、どうしたって一人の作家でカバーできる範囲には限界があるし、演る人たちの可能性に「方向づけ」の範疇を超えた過剰な枠をはめ込むことにもなりかねない。
ハローの場合シングルのカップリングは1曲+インストがパターンだけど、制作費の許す範囲でもう1曲、何か新しい試みを入れてみるだけでも印象が変わってくると思いますよ。
別にハロカバ*1だっていいし、たとえば業界の明日を担う若手のソングライターを積極的に起用して実験してもいい*2
逆に時代を遡って、懐かしのカバーポップスに挑戦なんてのも面白いんじゃないか、そんな思いつきだってある。ちっさーのvo.で『月影のナポリ』愛理で『ヴァケーション』とか聴きたくない? ヲレだけか。
実際やるとなると権利関係で「制作費の許す範囲」じゃなくなったりパッケージ化が難しくなったり色々あるだろうけど、一般受けだ何だというなら、高齢化社会にだって対応しないとね。「日本経済を救うのは大画面テレビでも電子書籍でもなくて義歯と補聴器、老眼鏡かもしれない」なんて話もあるくらいだし、考えてみる価値は、僕らの狭い思考レンジで捉えられる限界以上にあるんじゃないですかね。


今が大事、ここからが大事、というのは心の底からウォーアイニー*3、違う、嘘偽りなく同意するものでございます。「話題」と「人気」の隔たりは大きくて、たいていはそこで失敗するからね。
矢継ぎ早に話題を提供して「なんだかわからないけど勢いあるね」という印象を植え付けたいところだけど、だからといって、だからこそ、慌てたり焦ったり浮かれたりするのは禁物。見つけた穴馬が先頭でゴールした時のように世の中を出し抜いた気持ちよさに酔ったり、あるいは何か売名したいだけなら別だけど、これはギャンブルにしちゃいけない類のものだとヲレは思うし売名なんてもってのほかだから、お願いだからヨソでやってくれと。



誰にも知らせず自分たちだけのお楽しみにしたい。そんな気持ちがないといったら、正直いって嘘です。「このコらを知ろうともしない哀れな愚民どもは(ヨソ様)でも見とけ」という歪んだ優越感だってないわけじゃない。
(オ゚Д゚)<今ハローに集う我々こそが選ばれた優良種である!
ギレン・ザビ気分の冗談もいってみたくなる。
世間に認められないハローを自分と同一視してもいるのだから、ブレイクされたら置いていかれたような気分になってしまう。ムサいおっさんより同年代や同性に応援された方が励みになるだろうから、ヲレなんか見向きもされないだろう、そんな恐怖心だってある。
それらはすべて認めよう。ヲレはそういう人間だと。


他人様のことはよく知りませんが、直接会って言葉を交わした方々の大部分は僕より良心的だと信じられるし、ネットでしかやり取りしていない方々も実に聡明。
それでも、ヲタクはヲタクでしかないのかもしれない、と思わされることもある。
ウォークスの中の人がTwitter上で℃マネ氏にUstream番組の企画を提供していたのを見て、「メンバー一人に対してもこれだけの切り口があるものなのか」と脱帽する思いをしました。そのどれもが、こちら側からは出てこなかったものばかりでしたからね。
数を出すことによる相乗効果で勢いをつけるやり方もある一方で、ただ闇雲にメディア露出をするのでなく、数ある魅力のどこを、どのように出すか、見せるか、聴かせるか。プロの送り手にはそこまで考える人もいるのだ。
どっちも正解だと思いますよ。
関係ないけど、ウォークスって書くとウォータクティクスを思い出す。6連勝時には散々な目に遭いましたけど、このまま終わっちゃうのも寂しいよね。そろそろ復活しないかな。


「メンバーは好きだけど送り手の方法論が気に入らない」って人は多いと思うけど、つらいよなぁ。でなけりゃ、あんなにも何かあるたびにネガティブな反応ばかりがネットを中心に返ってくるはずないもの。
最大級のネガキャンになってることにも気づかずに、ただ自分の不愉快な気分をどうにかすることに必死で、それをネットで伝染させることを夢中で楽しんでいる。そんな後ろ向きで誰かに迷惑をかける楽しみ方*4をするくらいなら、今すぐ別の趣味を見つけた方が人生バラ色じゃないのかな。そういう単純な話でもないんだろうなぁ。


玄人好み、じゃいけないのかな。単純にそう思う。
「自分はメジャーになってほしい、メンバーも同じのはずだ」なんてのは誰の意見なのか混乱しちゃうから、いったんメンバーのことは措いて考えないといけない。アナタ個人はどう思うのか。そしてそれはなぜなのか。
その際「メンバー」はNGワードでしょう。そんな話の持っていき方が卑怯だってことくらいわかるよね。それならば「世の中から外れたくない」「日陰者気分を脱したい」の方がまだ意見として聞ける。大人なんだから自分の責任において、誰かを人質にとることも責任を押し付けることもなしに行動しないとね。



ずいぶん考えが巡ったけれど、おかげ様でヲレの心は決まったな。












(オ゚Д゚)<ブレイクしようぜ!



何か?



ヲレのような社会不適合者と同一視できるようじゃいけないですよ。
ハローの皆さん*5は業界に生きる場所を獲得し続けるために、すべからく努力と研鑽の日々を送っている。努力がすべて報われるなら逆に楽なものだけど、そうはいかないのが厳しいところ。でも報われる努力ってのは必ずある。そう信じきって生きていってほしいじゃないですか。
この状況からエクソダスして、業界にそれぞれの旗を翻らせてほしい。ボケも冗談もなしにそう思えるよ。
チートを入れるでもなく、闇雲にボスに向かうような無謀なことをするでもない。必死こいてレベル上げしたり装備を入手したり、たまには隠しステージを発見したり、そういう面倒な手続きも一つひとつ踏めている。そう見受けられる。だったらクリアしたいじゃん。


結果に現れない努力は努力と認められない、という現実がある以上「数字」をまったく無視することははできないし、今やCD等の売上やコンサートの動員数は人気のバロメーターじゃなく「『好きな人』がどれだけ頑張ったか」の指標になっちゃってるから、必死になるのもわからなくはない。
だけど視点をひっくり返してみて、たとえば、
「貴様がハローからもらった活力を数値化して示せ」
なんていわれたって無理な話。ということを考えれば、確かに努力を数字に変えるのもヲレたちの大事な役割ではあるけれど、まるで関係者のようにそればかりを追い求めるのも本筋ではないような気もしなくはない。
公的に何ら責任を負わされない無関係者としては、同時にもっと数値化、定量化できないものをやり取りしたり伝えたり広めたりにも注力していっていいんじゃないのかな。大して売上に貢献できない負い目を誤魔化すつもりがまったくないとはいわないけれど。
目に見える数字、目に見えない心。両方納入できるのも、やっぱりヲレたちしかいないのだからして。


何もかもこちらで引き受ける義務はなく、何もかもあちらに押し付ける権利もない。それぞれの領分ってのがあるわけだからそこは尊重して、誇りを胸に視線は前に、プライドを持っていきましょう。


ただし。


(オ゚Д゚)<その腕前は日本じゃあ二番目だ


美しくあろうぜ。

*1:これも今のところは好事家とのやり取りでしかないのがもったいないんだよなぁ。

*2:1980年代あたりのアイドル業界は「オファーを受けたミュージシャンの趣味と実験の場」という趣があって、実に楽しかった思い出があります。

*3:ビビアン・スーが初めて日本に来た頃アイドルちゃんたちのオムニバス・ライブに出演しまして、制服向上委員会のファンがそんなコールを作って遊んでました(笑)。終わってから草の根掲示板で「あそこの客は推し以外でも楽しみやがってズルいだろ」とか理不尽に叩かれたそうで(苦笑)、「楽しんで文句いわれたの初めてだ」と呆れてました。

*4:まぁ誰かにっつーかヲレになんですけどね。

*5:広義の、すなわちOGも含みます。