今日の写真館
- 作者: 今村敏彦,桑島智輝,佐藤裕之,Takeo Dec.,TANAKA,根本好伸,橋本雅司,細居幸次郎,樂滿直城
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2010/06/05
- メディア: 大型本
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紅葉。雪。海。港。桜。
和風の情景が多いなーと。そのものズバリ「和服」なんてのもありますしね。まぁ雪とか海とか港なんてのは日本じゃなくてもありますけれど。
バターと生クリーム、トマトとガーリックとオリーブオイルもいいけれど、やっぱりカツオと昆布のダシに醤油でしょ、みたいな。
全部が全部そうだとか乱暴なことはいいませんけど(そもそも連載第1回は西洋人形みたいだったし)、『矢島舞美写真館』という企画における「規定演技」的な柱の一つとして、
「和」
というものは意識されていたんじゃないかと思えるわけです。
単語としてはまるで演歌の歌詞のようなベタすぎるものばかりですが(微笑)、そういう日本に古くからあるもの、クラシックな美・・・もっと広げて考えれば「伝統」というものかもしれないし、単純に「自分の周りに当たり前に存在するものの価値を見直そう」でもいい。何かしら見る者に伝えようとするものがあるんだろうなと感じた次第。それらは舞美本人が身にまとっている風情でもあるわけで、もちろん、
「矢島舞美という被写体を用いれば当たり前の風景がとてつもなく美しいものへと変化するし、またそれが矢島舞美の魅力をさらに引き出すという相乗効果でライバルいっぱいストップ高なのだ」
ということでもあるわけです。ホントかよ。
『Fixの絵』における例の件にもつながる話ですが、明確なコンセプトが感じられて、しかもそのコンセプトが「自分と同じ方向を見ている」と感じられる作品に出会えるのはとても幸福です。カウンターとして「別方向だけど強力にアリだ!」ってのが別にあると面白いけれど、そのへんは「できる範囲で」ってくらいがちょうどいいかなぁ。
「命をかけて生きてます」的な、何気ないところにも意思が通ってるというか、とにかくイイ仕事なんですよコレ。なんとか多くの人に見てもらいたいなぁ。