第一印象

そんなわけでキューパーで流れた『江戸の手毬唄II』を聴きました。


いわゆるいつもの「℃-uteのメジャーデビュー以降のシングルは・・・」というやつで、あんまりピンとこなかったというのが正直なところ。
描かれた情景がありありと脳裏に浮かぶ歌詞、思わず「竜童さんありがとおおおおおお」と叫びたくなるほどに「竜童節」ともいえる独特の節回しが心地いいメロディー、℃-uteの元気な歌唱、どれをとっても素晴らしい。けどそれらが一つになったら「あれ?」みたいな。
タイトルと作家陣で期待をふくらませすぎたのかもしれません。


でもねぇ。
この「あれ?」が実は嬉しかったりするんですよ。
今まで℃-uteの歌をさんざん聴いてきた僕がそう思うということは、今までやってないことをやっている、℃-uteはまた新たな挑戦をした、ということなんです。この攻めの姿勢こそ℃-uteの面目躍如ともいえるわけで、嘘でもネタでもなく心底嬉しい。この喜びに比べたら、ヲレの価値観なんざぁ小せぇ小せぇ。


2年ちょっと前の話になりますが、モーニング娘。の『Ambitious!野心的でいいじゃん』って曲が出たじゃないですか。実をいうと、この曲のどこがいいのかしばらくの間は全然わからなかったんですよ。でも「こんこんの卒業シングルが駄作のはずがない」とヘビロテしました。
二十何回目でしたか、突然れいにゃか誰かの歌声が僕の中でガーンと立ち上がってきたんですわ。それがきっかけで今まで響いてこなかった部分がビンビン伝わってきて、それからしばらくの間は違う意味でヘビロテになりました。


「こいつぁ一度や二度聴いてどうのこうのいえる曲じゃないな」という感触も得ましたので(だとしたらそれはそれで問題がないこともないでしょうが)、『江戸の手毬唄II』もとにかく聴いて、そのうちどあっぷで配信されるだろうPVも見て、テレビ出演があるならそれも見て、CD買ったら20回でも30回でも聴いて、ハロコン見て、夏秋ツアー見て、それでもダメなら半年くらい時間を置いてから聴いて、来年の夏くらいにまた聴いて、そこまでやってどうしても気に入らなかったら自信を持って「俺の好みではないから俺には糞曲」と発言しようと思います。
いや、こうなったら好きになるまで聴いてやる。


それにしても「竜吐水(りゅうどすい)」って単語にはビックリしたなぁ。21世紀に若い女のコが歌う歌で出てくるとは思わなかった。誰がわかるんだろ。自分で調べた方が頭に入ると思うのであえて解説しませんが、時代小説でも読まないと出てきませんぜ。逆に知ってるとクスッとできるコミカルなところなんで、エブリバディ・レッツ検索。
もしかしたら時代小説好きなお父さんやお爺ちゃんを含めた「お茶の間向け」を念頭に置いてるのかな、という気もします。NHKが好きそうな世界だなーとも思いますので、今年も紅白狙ってるんでしょうかね。一応ハガキは出した方が楽しめそうですぜ皆の衆。


とにかく今のヤングポップス界(という古い表現を使ってみます)にはあまりない世界だと思います(やるとしたら関ジャニ∞くらい?)ので、個性的という点は申し分ないです。僕の好みはどうにでもできるので措いといて、これは応援したいです。


これができるのなら、たとえば岡林信康なんかを起用して、彼が力を注ぐ「御歌囃子(おかばやし)」の世界を試してみても面白いものができるかも・・・なんてことも頭をよぎりました。難しいかなぁ、色々と。