余韻

ネタバレはしてないつもりですが、一応未見の人への「先入観」防止ということで。


昔から、知っているアイドルがドラマとかに出てるのを見ても、それが劇中の人物でなくその人本人に(抱いているイメージで)見てしまって、それこそ役名で呼ばれることにすら違和感をおぼえる、ということがあります。
ところが、「寝る子はキュート」については不思議とそう思うことがなくて。
いつも見ている女の子たちが別の名前で呼ばれることがすごく自然に感じられて。
それが映像作品と生の舞台の違いなのかもしれませんけど、でも「モーニング・タウン」を見たときは違和感あったよなぁ。


演じてる、という(悪くいえば)わざとらしさがなかったように思います。
本当に自然に、そして活き活きと13人(+1人)の登場人物が存在している。言葉にすればそんな感じでしょうか。類型的なキャラクターというのもいるんですけど、それがその登場人物の自然な姿だというのが納得できる。
恐らく℃-uteの演技力というのは目の肥えた人にはお話にならないレベルであるはずで、いくら本職の人が脇を固めるといっても、「カバーしよう」なんて意識を持った芝居なんて役者の自意識だけが突出してきっと見られたものではなく、それこそヲタクのブログみたいな無残なものになっていたはずで、であるならば、この空気を作ったのは演出なのでしょうか。すごい仕事だ。


「自然体の空気」というのは実は℃-uteがいつも醸し出しているものでもありまして。
そういう意味でもこれは間違いなく「℃-uteの公演」なわけです。なるほど「℃-uteが好きな人なら楽しめる」という評価は完璧な正解です。℃-uteが好きな人向けの芝居だから小さい劇場でやる。間違ったことはやってませんね。
℃-uteが演劇に挑戦する」一方で、初体験*1のジャンルでも℃-uteらしさを出していく。言い換えれば「演劇を℃-uteに引き寄せる」。その上で「演劇」という枠は保たれているのですから、なんと許容度の広いジャンルであることかと感嘆します。


もう1回、いや2回か3回は見たいなぁ。無理だけど。

*1:そうでないメンバーもいる。