たとえこの先どんな出来事が起きたとしても

自分は片思いをしているのだ、という明確な自覚がある。そしてそれに満足し、喜びすら感じている。毎晩ベッドに入って目を閉じるとき「ああ、今日も俺は舞美を好きでいた」と思うたびに押し寄せる幸福感。こうして睡眠導入剤はその効力を失っていくわけだが、医者には相談できない。


思うに、片思いというのは両思いに至る途中の段階ではなく、まったく別の形の恋愛のあり方ではないだろうか。
恋愛の不完全な形態ではなく、<片思い>という形で完全に成立しているものではないだろうか。


両思いになることが望めないからしかたなく選択するのではなく、別の形態である<片思い>をすることを主体的かつ能動的なおかつ積極的に志向し、それに邁進していきたい。


不純なことは考えず、いつまでも片思いしていたい。
だってそれは幸せだから。