一里塚

さすがに武道館のことは書き残しておかないとね。













あーそうそう、なんか今回の公演に限ったことでもないんだろうけど、「Twitterでネタバレすんなプンプン」という話が盛り上がってたみたいですが、現場行ってる者が「現場でーす」「ネタバレツイートしまくる予定」とか告知し、そのツイートを見たり、あるいは「○○さんは今日現場だからネタバレツイートしまくりか」と察したりしたらその日いっぱいくらいの間アンフォローなりミュート/ブロックなりすればある程度は軽減できるんじゃね? みたいな。「公式Webにはミュート機能ないし」というならクライアント導入を考えるタイミングなんだろうし、そういう対策もしないで他人に要求ばっかりして不満を述べるだけの人がいるとしたら、ヲレとしてはまったく同意できないな。



外にいる間は『小春ちゃんいらっしゃい』(℃-uteがOAで出たっけなぁ)や石川さんの卒コン、モーニングカレー、あるいは21年前にCoCoで入った時と雰囲気も気分的なものも変わるものはなかった。矢沢永吉とは違った空気だったかもしれないけど。



1階南西ブロック立ち最前の自席から見た光景はちょっと衝撃的だった。
横に広く作ったくらいで、あとは大きくスペースを取ったり張り出したりといったステージプランもなく、その分だけ席が多くなっているアリーナに、


アカアオモモミドアカアオモモミドアカアオモモミド、・・・


スーパー戦隊大集合ですか? 

ってなくらいに色とりどりの人、人、人*1
ちょっと待てお前ら、ここ℃-uteコンだぞ。ステラボールも埋められない椅子ゼッパーの公演だぞ。どこからこんなに湧いて出た、おぢさん聞いてないぞ。


Juice=Juiceすごいね。ヲレが好きなのは宮崎由加ちゃんだけど、宮本佳林ちゃんさんは座ったままであれだけ説得力のあるダンスするのだから、完調ならどれだけのものを出してくるのか恐ろしい。うかうかしておれんぞ℃-ute



客電が消える。5色のライトが客席の一つ一つで点る。その数、その美しさ。
2003年9月23日の横浜アリーナを思い出させる、思いのこもった光が℃-uteを呼ぶ。


スクリーンにOP映像が映る。
階段の左右を『まっさらブルージーンズ』に始まるCDのジャケット写真が画面左右を彩り、歩を進めるようにカメラが移動していく。
たどり着いた先に、五つのシルエット。
シルエットなのに、自信、風格、誇り、・・・そんなものを感じさせるように立つ五つの影。
公演名が映し出されて映像は終わる。
そして、



℃-uteが、ザ・ビートルズも立った日本武道館のステージに現れた*2



ここまでが限界でしたね。
感情が高まりすぎて、涙があふれてしまいました。1978年の森進一ショー以来、色々な現場に行きましたけど、公演中に涙したのは初めて。それもクライマックスならまだしも、1曲も歌ってない段階ですからね、自分で自分に驚き、動転してしまいました。



4thアルバム発売〜AB℃ツアーの頃を思い出していました。
℃-uteの「底」の時期というと、多くの人が『SHOCK!』ショックを挙げるでしょう。僕も未だにあの曲そのものが好きになれないわけですし。
ただ、「底」というと僕にとっては、メンバーは欠ける、パフォーマンスは今ひとつ決まらない、会場や℃-uteそのものにも何かモヤモヤした空気を感じる、楽しさの一方で悲壮感も並々ならぬものが、・・・そんな2009年春の印象が強いです*3


あの状況からよくぞここまで。
ちょっとしたきっかけから、坂を転がり落ちるように輝きを失い、消えていったアイドルはいくらでもいる。というか、時期が来ればそうなっていくのが半ば宿命のようなところがあった。
でも℃-uteは、時に心が折れそうになりながらも、あきらめなかった。あきらめきれない何かがあった。その何かのために踏みとどまった。
常にベストを尽くし、限界に挑戦し、昨日の自分より一歩でも前に進もう、「できること」の幅を1ミリでも広げていこうともがき続け、今や至高の「ライブ職人」と呼んでも過言ではない存在に変貌を遂げた。
何もいうことはない。いや、その時その場で好き勝手に遊んでいただけのヲレごときが何か物申したら不遜の極み。
最高の職人の、最高の作品がここにある。
あとは僕らの問題だ。供されるものにふさわしい最高の客たり得るか。
℃-uteは俺のために歌ってる。俺たちのために何かを伝えようとしている。
その何かを受け止め続けるために、僕はこれからも℃-uteが歌う場のどこかにいるだろう。群馬も横浜も仕事とバッティングしていて、秋ツアーの参加予定はゼロだけど*4



そんな感じで、夢見心地のまま、ただひたすらその場を楽しんで、いちいち大喜びしてるうちに終わってしまったような。
武道館はそんな祝祭空間であった、としてしまっていいんじゃないか、と思う。これから始まる秋ツアーでは良くも悪くもまた違ったものが見えてくるだろうし、ツアータイトルの「たどり着いた」は武道館のことではないのでは、と僕は感じたわけだけど、多くの人がそう感じるツアーになることだろう。



発表から開催、始まるまで気になっていたことが一つ。


「これまでほとんどホールコンばかりやってきた℃-uteが、果たして武道館の広い空間に耐えられるパフォーマンスを行えるのか」


武道館で中野サンプラザと同じことをやっていては2階席最後列や立見席には届かない恐れがある、さりとて武道館仕様を作り上げてしまってはその後のツアーに向けての練り込みが足りなくなるかも。さてどうしたものか・・・


从・ゥ・从<だったら武道館を中野サンプラザにしちゃえばいいジャマイカ
(オ゚Д゚)<へ?


いやぁ、驚きましたよ。会場の空気がいつもと変わらなかったもの。
熱気、一体感。この広さの会場でここまで出せるってのも大変なこと。これぞ「team ℃-ute」のパワーってやつですな。
そして、それを起こし、導き、煽り、結集させる℃-uteの力。この求心力こそ℃-ute/team ℃-uteが作る「場」の大きな魅力の一つ。
ただ同時に、この求心力に巻き込まれたくないと思う人にはいわゆる「同調圧力」に感じられるだろうし、求心力とは内向きの力であるがゆえに、外へ広がっていくことはかなり難しいのではないかという気もする。
そんな弱点を抱えながら、ここまでファンを増やしたという事実は重い。


より一層の発展を目指すためには、という課題がこれからの℃-uteにはついて回るだろう。
やるべきことを愚直にやり続けてきてここまできたのが℃-uteなのだから、これからもやはりベストを尽くしていく、何かを伝え続けていくに違いない。
それはそのまま続けて良いことで、あとは目に耳に触れる機会を増やすこと。
といいつついきなり矛盾するけれど、既存メディア*5の力に降参している人を信用したくないし、「不特定多数」なんてのは物の良し悪しのわからない烏合の衆としか思えない僕としては、派手な花火を上げるより、少しずつ良い作品を作り、参加して、それを認めてくれる人が少しずつ増えていってくれればと思う。



神保町で飲んで、居酒屋を出たら雨。宿のある池袋のコンビニでようやく傘を買って、色々と振り返りながら宿に向かう途中、


「あのOP映像は、8人を武道館に登場させるためのものでもあったんじゃないのか」


もう一度泣いた。24時を過ぎて、フロントに誰もいなくてよかった。

*1:ヲレらのTシャツは黒だから、この画像でいうと仮面ライダーBLACK/RXってところかな。

*2:ヲレ9日は入ってないのだ。

*3:夏から秋にかけ、それらを乗り越える結束を呼んだのが梅さん卒業ではなかったでしょうか。そこで一体感が高まったからこそ『SHOCK!』ショックがより強烈だったともいえるのでは。

*4:横浜あたりの時期だと忙しさも落ち着いてくるだろうから、また半休くらいなら取れるかも・・・まぁその頃になってみないとわからんわな。

*5:っつーか地上波テレビとそのバックにいる新聞社、広告代理店ね。