全国紙を買ったおっさん・その1

(このエントリは2/18に更新されました)


松本清張傑作短篇コレクション〈上〉 (文春文庫)

松本清張傑作短篇コレクション〈上〉 (文春文庫)

「地方紙を買う女」といえばヲレのような糞ヲタクは『恐怖劇場アンバランス』ですけどね。・・・という展開でいつものように動画でも貼ろうと思ったけど、素材的に苦手な人もいるかと思い自重。




ちっさー毎日新聞に載るらしい」
と聞いた2/9早朝。これがたとえばヲレならば「ついに年貢の納め時か」「罪状は何、つーかどれ?」「塀の向こうで一生終わるのね」「弁護人は罰ゲーム気分に違いない」なんて展開を迎えるわけですが、世界の岡井ちゃんですからそんなことはない。
ひと:ユーチューブに投稿したアイドル 岡井千聖さん
朝は雪の中毎日の朝刊を買いに、夜は讀賣の夕刊にスマイレージが出てるというのでそれを買いに。一日に二℃も橋を渡って隣の県まで行くと思いませんでした。夕刊はなんとなくわからなくもないのですが、仮にも日本三大紙に数えられるメジャーなニュースペーパーを地元で入手できないとは・・・本当に日本なのかここは(汗)。


翌日になって、地元の町にも毎日の販売店があることを思い出しましたorz。とはいえサービスセンターじゃないから朝夕刊の配達時しか開いてないし『毎日RT』は扱ってなかったので、結局あまり役に立ってないのですが(苦笑)。











大衆が問題とするのは実力でもなければキャラクターでもなく、実はルックスでもなくて、


人気者であるか。


別のいい回しをすると、


それ、流行ってんの?


でしかない。そう感じる。人気が人気を呼ぶんですよね。
流行の中に身を置くことで、共同体と同化していることを確認して安心する。のかもしれない。そして、よほど好きにならない限りは「飽きる」から、常に新鮮な対象を求めていく。
芸能人でなくても、スポーツ選手でも学者でもいいし、政治家や宗教家でもいいのかもしれない。というか人間である必要もない。サラブレッドとかエリマキトカゲとかレッサーパンダとか。
アイドル、ってそういうもの。だから「アイドル」という職業は存在しない、ともいえるのだけど、その役割を自発的に引き受けようというエンターテイナーは実在するのだから、何かを見るときに物差しが一つだけだと決定的に間違えるぞ、という警戒は必要なんだよね。物差しがいっぱいありすぎて混乱してるのが週末のヲレではあるけれど。


 「℃-ute」はテレビ露出こそ少ないが、シングルCDは平均3万枚を売り、年間100回超の公演をこなす。そこで鍛え上げた「プロの技」が動画でも光る。

いやその公演数は・・・いやいやコンサートの年間公演数とはいってないし、ライブパフォーマンスをする回数と考えれば年に100オーバーあるのかな・・・てな具合に読み取るのに苦労はしますが、知名度は低いけど隠れた実力派だぜ、という文脈だと解釈。ありがたい評価です。未熟者の代名詞のように使われることもある「アイドル」という存在に対して、「プロの技」なんて言葉が使われるのは大事件ですよ。新聞沙汰になるレベル。いや新聞沙汰なんですけどね。


駄菓子貸し。
落とし穴というものもありましてですね。
「実力で勝負」とか「ルックスのレベルが」なんてのはもしかしたら好事家のこだわりでしかなくて、大衆にとっては「人気者であるか否か」よりは重要度の低い情報なのかもしれないのよ。とはいえ、目の肥えた人というのはどこにいるかわからないわけだから、芸能をやるのであればある程度以上の間違いないスキルを持ってないとバカにされるんだよね、というのも本当の話だからけっこう厄介だ。


常連客とか固定ファンといった「好きな人」に対する意識が強すぎると、それが媚びる方向であれ突き放す方向であれ、所詮はコップの中というか、外側にいる人にはどうでもいいやり取りに終始しちゃう危険がある。


最近のハロコンのようにセットリストを複数用意するなんてのは、そんな風に感じなくもない。何回も入る人たちにサービスしようとする*1あまり、予定や予算の都合で1回しか入れない人はなんとなく損した気分になっちゃうかもしれない。そちらのことを考えて全公演同じセットリストにしちゃうと、今度はいっぱい入る人から文句が出る。
そういうのめんどくさいやー、と完全に意識の外へ出してしまうと、よほど「狙い」を意識しないとどうにもつかみどころのないものが出来上がってきちゃって、固定客はピンとこなくて去っていくわカバーできるほど外へは浸透していかないわ、なんて悲惨な結果になりがち。去った人はまず戻ってこないからね。


だから、ここからが難しいのよね。
これ以上の展開を望むなら、さすがに「一部のスタッフが思いつきでやったこと」という設定*2で押し通すにも限界が生じる。だからこそのストーリーづくりでもあるのだろうけど。



ネットで火が点いて全国紙まで飛びついた。となれば後は地上波テレビ・・・といきたいところだけど、僕は必ずしもそう思い込めないんですよね。

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今から10プラマイ1年くらい前のこと。
ある雑誌編集部に、芸能プロダクションの営業さんが新人グラビアアイドルの売り込みに来ました。ちょうどグラビア担当が撮影立ち会いで留守にしてたので、社内で唯一グラビア担当とアイドル話で盛り上がれる記者くずれの雑用係が、お茶なんぞ出しながら応対することになりました。
読者プレゼントとして、DVDかVHSをいただけるというお話。それは「どちらか希望の品」で後日相談ってことにさせてくれないかなぁ・・・と思いつつ、
(雑用)<新人さんを応援してくれそうな新しモノ好きはハードウェアも新しいのに飛びついてるはず
(雑用)<だからDVDがいいと思いますよ
営業さんは即答しました。
(営業)<いやー、そういうアイドルおたくに売るつもりないんですよね
(雑用)<・・・じゃあVHSにしましょう。うちもお茶の間向けだし
適当に答えながらも、雑用係さんは長年のアイドルマニアの経験で直感したそうです。
(雑用).。oO(このコ売れないだろうな 営業がものを知らないし現実見えてない)
(雑用).。oO(新しモノ好きには芸能ライターもいれば各分野のクリエイターも多いのに)
(雑用).。oO(だいいち新しいコを新しいものが好きな人に売り込まないでどこに売り込むっつーの)
そのグラビアアイドルの名前はそれきりまったく聞くことがなく、今思い出そうとしても思い出せないそうです。

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つまんないお話につき合わせてしまいました。実話かどうかは興味持たないで。
トントンと進んでほしいという気持ちは僕にもありますが、あまりにも地に足が着いてないというか、上を見すぎて足元が見えてないというか、とにかく急ぎすぎているように感じられます。無関係者のヲレたちが泡くってどーすんの。


現状だと地上波のいい時間帯は原則的に「出来上がった人気者を見る」ものになっているし、一部のとんがったテレビマンを除くと、テレビはネットに対する警戒心があるのか素直に反応してこない。ちょうど現場以外ではネットにしか存在してないヲレがテレビを信用しないのと同じように、テレビもネットを信用してないんじゃないか・・・そんな印象があって、「ネットで話題のあのコ」がそれだけでテレビに出るのは難しいだろうと思う。
それに、1970年代のフォークシンガーみたいで気恥ずかしいですが、たとえば数少なくなった歌番組に出て、その他大勢扱いで司会者と適当にトークしてワンハーフで1曲歌って終了、それで何か伝わるのかな? 状況に変化があるのかな? って気持ちもある。どうしてもシングルのリリース時だけの出演というのは散発的になってしまって「流れ」になりにくいのよね。
さりとてハロー唯一のレギュラー番組に何か期待できるかというと・・・ねぇ(苦笑)。狙いは女性向け情報バラエティなんだろうなってのは伝わってきますけど、出演者が好きなおっさんである僕らにしてみれば、メンバー密着ドキュメントなどで「出てる人の情報」をいただける方がありがたいわけです。


ワンハーフで十分魅力を伝えられた昔の歌手はすげぇなー、って話でもなくて、ハローの持つ連続ストーリー、大河ドラマ性がここで若干の障壁となる。扉を開けて中に入っちゃえば大きな満足や感動を得ることも不可能じゃないんだけど、その扉が見つかりにくいのよね。そして、その扉は決して「プロの技」なんて高尚で近寄りがたい印象を与える言葉ではないんじゃないでしょうか。


「プロの技」と「親近感」のバランスが取れていない。現状をそのように感じます。ただこれは送り手の戦略ミスなのかといったらそれだけでもなくて、「神」と「糞」しかボキャブラリーがなく、持ち上げるかこき下ろすかだけの野蛮なメンタリティしか持ち得ない受け手の問題だって大きい。それはヲタク界隈だけの話じゃないけれどね。
だったら文句のつけようのないものをお届けしましょう。そう考えるのは、クリエイター、パフォーマーなら当然のことだから責めるわけにはいかないね。


どうしても地上波テレビにこだわるとして、可能性を探るとしたら深夜帯かなぁ。「これから人気者になろうという人材」の入り込む余地はあるし、少しはトークなんかの時間もとってくれて親近感につながるかもしれない。少しずつ実績を作っていって「ネットで知られてるけど実態のわかんないコ」から「うちの局の番組に(ゲストで)出たことあるコ」「(レギュラー・準レギュラーで)使ったことあるコ」になっていくのが大事。℃-uteでいうとなっきぃさんが、それこそ毎日系列の局で今その道を作ろうとしている最中ですわな。あの局ならBSにアンドリウもいるし*3、少しは希望が抱けるんじゃないでしょうか。個人的にはプロ野球関係で悪い印象ばかりありますけれど(苦笑)。


今のようにネットとライブ中心で発信していこうというのであれば、それ以外のメディアで活用すべきは、実は紙媒体とラジオなんじゃないかと思っています。この二つは情報産業としての生き残り策をネットとの連携に求めてる節がありますのでね。新聞にせよ雑誌にせよひどいところはひどいけど、かつてテレビという新参者に圧勝されただけに、次の新参者とは何とかうまくやっていこう、という必死な熱意がある。もちろん全部が全部ではないけれど。


何にせよ、気長にいこうぜ気長によ。今さら「先が見えない」くらいで心が折れるコたちでもあるまいよ。果報は寝て待て・・・のフリをして準備を万全にしておく。こうありたいところです。
むしろヲレたちの方がそのへんは脆いんじゃないかな(苦笑)。ブレイクしてもらいたい俺の気持ちに今すぐ応えないならシラネーヨ、ってあっさり見捨てがちなのがヲタクさんたちの毎度のパターン。80年代からどんだけ世代交代しても、そういうもっとも変わらなきゃいけないところだけは変わらないんだよなぁ。

*1:ということだと思うのよね。そうでないとしたら、何を見せたらいいか「どうにも絞れないから全部」という、馬券大好きなくせにヘタクソなおっさんの買い目のようなことなのか(苦笑)。

*2:これマジで信じてる人がいるから恐ろしいよね。悪い表現をすると「商品」なのだから、会社通さないで勝手に動かせるわけないでしょ。

*3:やっぱ鑑識は金剛地武志さんがいいなぁ・・・なんていうちょっと古めのケータイ刑事ファンは、「プロデューサーの丹羽多聞アンドリウ氏」なんていい方はしないのだ(笑)。ちなみに泪と零が好きです。