最近のお気に入り
ものすごく久しぶりにハマっている漫画がありまして。2003年に始まってるんで「今さらかよ!」というツッコミは覚悟しておりますが、何しろ世の中のことにはてんで疎いので。
王様の仕立て屋 1 〜サルト・フィニート〜 (ジャンプコミックス デラックス)
- 作者: 大河原遁
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/01/05
- メディア: コミック
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从;・ゥ・从<服飾業界ものとはまた似合わないものを・・・
(;オ゚Д゚)<・・・悪い、ノーコメントだ!
スーツなんぞ1着しか持ってないし、それよりも靴がない*1から面接の時なんかけっこう困ってる・・・という僕が夢中で読めるくらいなので、服飾の知識はまったく必要なしです(笑)。
急を要する依頼を高額な報酬で引き受け、その腕は神がかり的。職人として、人間として筋の通ったこだわりがあり、相手の社会的地位はおかまいなしでズケズケ物を言い、マフィア相手に命がけで仕事をしたことも。突き放したような言動をとるが根は人情に厚い・・・となると我々の世代はあの無免許の天才外科医を思い浮かべるわけですが、同じことを考える人は多いらしく、「王様の仕立て屋 ブラック・ジャック」で検索するとそこそこヒットします。そういえばBJでピノコが登場するのは単行本2巻ですが、こいつも2巻から主人公と同居するちっこいキャラクターが出てきます。少年ですがね。
あああ いきなり暗礁だあ
助けてテヅカ先生───!!
(第2巻「出会いの靴下」)
締め切りに追われた手塚治虫は新幹線の中でも原稿描いたって言うぜ
(第18巻「銀色の道」)
なんてセリフも飛び出すし、影響とか意識がまったくないということはないでしょうね。偉大な先人へのリスペクト、というのは作品世界とも通じているなぁ。
「多くの日本人にとって スーツが精神的な領域にない」(第3巻「王族の御用達」)というその日本人ですから、たかが(という言葉が出ること自体「わかってない」わけですが)服一着にそんな決まりごとがあるのか! と驚くことばかり。ウェイターが着るタキシードとパーティーの客が着るタキシードには明確な違いがある(第3巻「紳士の隣」)・・・なんてのはヲレが住んでいるのと同じ星の話なのかと思ったくらい(苦笑)。
めんどくさいといえばめんどくさいことこの上ない話ですが、この作品を読むとそのめんどくさいドレスコード、服装のルールってやつを「マスターしたい」なんて気にまでさせられます。洒落者、粋人・・・そんな言葉で表現される「『本物』を知り己を知る人間」ってのはそれくらいかっこいいのです。
そもそもルールってのは文明人と野蛮人を峻別するために存在するわけです*2。どうせならカタチだけでも文明人として振舞いたいじゃないですか。諳んじられるくらいにルールを熟知し、その枠内で自分と相性のいいスタイルを見つけるのが粋ってもので、「型」というものは先人の叡智の結晶であるのだから莫迦にできるものでなく、型が身についてないのに型破りなんてのは物を知ってる人間にかかれば失笑ものなんですよね。
クラシックの世界というのは 誰しも気付かれるわけじゃないが
愛好者同士がより深いコミュニケーションが取れる領域なんだ
第11巻「紅の豚」
こういうの大好きなんですよ。ただのマニア根性といわばいえ。
「本物」を知る誇り高い人間たちのクールで熱く時に軽妙洒脱な物語は、これまた素晴らしくイイ仕事になっていると思います。
読み終わると思わずスーツをフルオーダーしたくなりますよ。ブックオフの105円コーナーで必死こいて集めてる僕にはイージーオーダーすら別世界の話ですけどね(苦笑)。