老人がブツブツつぶやくのさの巻

はっちょめんが貼ったマクロス劇場版見てえらく高まりました!

これ、全部手描きだぜ? 信じられるかい若い衆。
以下長くなるかもしれん。関係ないけどはっちょめんって書くとガッチャマンみたいだ。


ジョー2とか実況してると、ネタなのかマジなのか作画レベルの高さに驚く書き込みがありますね。「これを全部手描きで週1回オンエアしてたとか冗談はやめてくれ」みたいな。確かに今見ても高いレベルで安定してる。作画監督杉野昭夫氏は過労死寸前だったなんて話も実況で教えてもらいました。
ハッスルさんが懸命にマクロスFを推してるのに同じTOKYO MXで毎日ひたすらガッチャマンを見る日々だったりしますが(すまん)、これも絵のレベルは高い。イデオンザブングルダンバイン等のキャラクターデザインで知られる湖川友謙氏もガッチャマンで原画描いてました。そうそう、イデオンといえば発動篇ですが、あれって公開の目処も立たないうちから半ば勝手に作り始めたらしいですよ。


情熱。


斎藤由貴。違う。


思想といっちゃうと、政治的な意味でのそれはちょうど無印マクロスあたりから希薄になってきたように思うんですが、「作りたいものを作る」「描きたい絵を描く」といった熱い思いを思想と呼べるなら、この時期(1980年代前半)というのはそれが最高潮に達した時代だったように思います。無印マクロスでいうと、TV版27話で庵野秀明氏がたった1カットに3ヶ月かけたって話はWikipediaに載るくらい有名ですが、それって「2秒のシーンに36時間」なんてこともあるらしい現代ハリウッド映画のCG作成をある意味超えた「徹底的に追求していく」映像職人の熱さですよね。アニメーターの奮闘といえばクラッシャージョウの「巡洋艦コルドバ回頭」シーンなんてのも思い出深いですな。
ガイナックス作品なんかは現代でもそういう情熱が迸る作品を生み出していて、ファンが多いのはそういうものを敏感に感じ取れる受け手が健在だということでもあるでしょう。エヴァ以外でも王立宇宙軍とかナディアとかグレンラガンとか好きですねぇ。トップは見たことないですが、なんか色々とすごいらしいって話は聞いてます。
見たり聴いたりしてて、情熱が感じられるものってのは心に響きますよ。


伝えたいものと伝えたい相手がいたら、作られるものにはどんなに排除しようとしても情熱が宿ってしまうものだと思います。人間が何かを表現するってそういうことでしょう。抑えきれない何かを誰かに伝えるために表現する。それが一番先に来るのが自然な姿だと思っていますが、こういうのって古いんでしょうかねぇ。人間が古いわけだからご勘弁を。


絵がダメってのは、僕らの世代が現代アニメを見るときの大きな壁ですわな。実をいうとガンダムSEEDTOKYO MXでの再放送まで見る気にならなかった原因の一つがそれだったりします。ちょっと厳しかったですねぇ、今は慣れましたけど。
僕の場合は動きとか描写よりキャラクターが受け入れられるかどうか。一番「今」に近いものだと劇場版ゼータの新作部分がギリギリですかね。具体的な名前は控えますが、古い人間からするとどうも「人間に見えない」キャラクターがSF系になるとけっこう多くて、それならグレンラガンみたいに多少古典マンガチックに振った方が受け入れやすいかも。あとは真マジンガーみたいなリメイクものね。
動きというか、これもキャラクターの表情の話になりますが、いわゆる「目が点になる」をそのまま描いたり、「(≧∀≦)」みたいな顔のパーツを全部線にしちゃうのもちょっと厳しい。それはコミックやネットの技法であってアニメーションで使ったら負けだと思うんですが、そういうわけにもいかないんでしょうかねぇ。


そんな感じで、僕らのように古く、しかもアニメに対してブランクのある人間がいきなり今の作品を見るのは大変なんだぜってお話に見せかけて色々と仕込んでみました(笑)。
こういう話をするなら今のものも見ておかないといけないんでしょうけど、たとえば放送スタート前の情報で「あーもうそういうのいいや」ってなっちゃうのにぶち当たるのが多いです。つまり必要とされてないんでしょうね。残念。