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富野監督にも名誉豹賞=ロカルノ映画祭

8月10日9時12分配信 時事通信
 【ロカルノ時事】スイスのロカルノ国際映画祭事務局は9日、人気アニメ作品「機動戦士ガンダム」シリーズを手掛けた富野由悠季監督(67)に、長年の業績を表彰する名誉豹(ひょう)賞を贈ると発表した。授賞式は10日夜(日本時間11日早朝)に行われる。
 今回の映画祭では、6日にアニメ映画「火垂るの墓」などで知られる高畑勲監督に同賞が贈られている。

「長年の業績を表彰する、ということで現役の監督である以上『作品を評価してほしい』という思いは正直いってあります。とはいってもこのような賞をいただけたことで、近い将来死んでいく時に『俺の人生もまんざら意味のないものではなかった』と思えるかもしれない。ならばそれは幸せだろうな、とは思っています」
くらいのことは言ってくれそうな気が(笑)。


富野カントクっては劇場用作品があまり多くないこともあって映画賞には縁が薄く、それもあって世間的な評価はそれほど高くないまま現在に至ってるわけで、ガンダムについてさえ、

「ファンが好きなのは当たり前なんですよ! 僕は相手にしてるのは世間なんですから」
「世間を構成している人たちのメインである、たとえばお父さんたちにわからせたい、っていう時に、あまりにも力がない」
「むしろ、アニメファンっていうレベルが騒いで盛り上がったものなんてのは世間から無視されるんだから、僕にとってもとても危険な存在だとしか見えませんでした」
「ファンの評価はあくまでもファンの評価なんです。僕は世間に評価されたいの」


NHK-BS2『まるごと!機動戦士ガンダム』インタビュー)

と語るくらいの人ですから、特別な感慨はあるんじゃないかと思います。


カントクの作品は僕の周りにいた大人たちが教えてくれないことを教えてくれた・・・なんてことをうかつに書いちゃうと、
「たかがロボットアニメ程度のものから何かを教わったなんてことを平気で言っちゃうオタクという奴は、もう・・・ぶん殴ってやりたい」
とかいわれそうで気が引けるのですが、だってホントのことだもの。
作品づくりに妥協しない姿勢、そうすることでしか伝えられない/伝わらない人間の憎むべき部分と愛すべき部分、ってのがたまらなく好きなんですよね。知的生命体が画面上で確認できるだけでも二種族絶滅するラストでおなじみ『イデオン』も、今あらためて見ると「人間讃歌」になっている部分だってあるのです。
登場人物がいっぱい死んでいく「黒富野」と生き延びる「白富野」に分かれるとよくいわれ、病気から回復したあとはすっかり「白くなった」と評判ですが、この人は昔から変わることなく人間を激しく憎み、同時に激しく愛してきた人なんだよなーとあらためて思う次第。

ターンエーの癒し

ターンエーの癒し

2002年に出た文庫で持ってる本ですが、水ヌレや何やらであちこち痛みがきてる今でも時折読み返しているくらい示唆に富んでいます。つい2〜3日前にも読みました。ちなみに下のエントリのコメントに書いた司馬遼太郎の言葉もここからの孫引きだったりします。司馬遼太郎は『燃えよ剣』『新選組血風録』『最後の将軍 徳川慶喜』くらいしか読んだことないもんで。


『映像の原則』は予想通り難しすぎてなかなか読めません(苦笑)が、拾い読みしただけでも「ああ『携帯小説家』のアレはそういうことだったのかもしれない」「これといくつかのインタビュー(上に引用したものが代表的)があれば『冬の怪談』に抱いた不満な部分が全部説明できる」と演劇・映像にかかわらず色々なものが見えてきます。


これからも色々教えてください、富野カントク。

教えてください。富野です

教えてください。富野です