赤サイ顛末記

「顛」の字が簡略体(拡張新字体ってやつ?)だから雰囲気が出ませんが。


「企画」としてやってたら、大失敗としかいいようのない結果。
そりゃそうだ。用意した本数も少ないし、積極的に配布したわけでもないし。
でも、それでよかったような気もする。
最後まで俺だけの大騒ぎで終わったことに、かえって満足していたりもする。


きっと「俺は赤サイを振る」と決めた時から、俺の心では誘導灯よりも強く輝く赤サイが振られていたんだと思う。実際に振るのは「ネタじゃないですよ」の証明というだけのことだったのかもしれない。


南2階F16列の自分の席について、客席を見渡す。
途端に、大勢の観客の存在がガツンと伝わってきた。
無理だろ。こんな大勢のいるところで俺一人の自己満足とかできるわけがない、やっていいはずがない。
萎える気持ちを「それでもやらなきゃ俺は前に進めないんだ」と奮い立たせて「その時」を待つ。


ごめんなさい。
タイミングが来るまでコンサートを楽しむどころじゃなかった。


いよいよ予定のタイミング。ペキッとする。
あれ?
思ってたより発光が弱い。「超高輝度」のはずなのに、ダイソーで買ったのと大差ない。くそぉ、騙された。
それでも頑張って振る。


いつしか僕の心は静かになっていった。そして震えだした。
すげぇ、こいつらすげぇ。
僕を圧倒した大勢の観客の前で、堂々と歌って、踊っている。
感動した。
こんなことは、絶対に自分のためだけではできない。
間違いなく、7人の女のコは、俺たちを喜ばせようとしている。
伝わってきた。


ありがとう。そしてごめんなさい。
君たちが僕たちを喜ばせようと鍛錬を重ねたステージを楽しまず、自己満足のために利用した僕を、許してほしいとかふざけたことはいわないけど、今回だけは大目に見てくれるとありがたい。
この償いは必ずする。












結局何のために何人かを巻き込んだ一人相撲をとったのかというと、


かんにゃは俺のスペシャルだ。


それがわかったから、じゃあスペシャルなことをしようじゃないか、というだけの話。どこまでも自己チューだ。付き合ってくれた皆さんありがとう。


揺らいでいた気持ちが固まったような気がする。
かんにゃはスペシャル。なっきぃスペシャル。そして舞美はオンリーワン。
オンリーワンにスペシャルツーに、梅さん・愛理・ちっさー・まいまいはレギュラーフォーってところかな。梅さんとかちっさーはたまに限りなくスペシャルに近づくけど。
そんな7人で℃-uteはやっております。
完璧な布陣だな。


そういえばあの日、℃-uteは僕らの前で決然と宣言したのだった。
「この7人で℃-uteと申します」


ああ、俺℃-ute大好きだわ。