映像に意味を そっと忍ばせた

何度か見ていて違う意味でドキドキしてきちゃったので書いちゃいます。朝っぱらからすいません。といっても僕はこれから寝るんですけどね。
以下激しくネタバレにつき「まだ見てない」「シングルVまで待つ」という方々は絶対にこの先を読まないでください。


面白いと思ったのは、タイトルにもある「都会」が背景として使われていること。
ほぼ全編が怪しい取引が行われたり人質が囚われていたりしそうな埠頭(晴海?横浜?)でのロケで、都会の風景は対岸にある。あるいはイメージカットとして挿入される。
地理的にも機能的にも都会とつながっていながらいわゆる「都会」の風景とは異なっていて、でも人造の風景であり生活感がないのは共通している場所。うまいところを思いついたもんです。


都会から飛び出すべく港に集まった、という風情が漂います。なぜ港なのかは、駅や空港はすでに都会の一部である、からじゃないでしょうかね。
「都会っ子」であるならば都会は故郷であり、守ってくれるところ。今そこを離れんとする少女たち。


千聖が握りしめるでも捨てるでもなく弄んでいた薄汚れたボールは何だったのだろう。それを(過剰に素晴らしいフォームで)虚空へ放り投げた舞美は何を投げ捨てたのだろう。
野球ボール(たぶん硬球)というのは、一般的に小学生から高校生の女の子にはあまり縁がないものだと思うんですよ。それを持っているということは、それほど大事なものなのだ、という解釈ができる。汚れていたのは肌身離さず持っていたからだと思います。
そんな大事なものをいきなり投げ捨てるという行為。その決意。
投げられて消えたボール(あるいは投げた舞美、もしくはその両方)を見る千聖とまいまいの表情には「今もしかして取り返しのつかないことが行われたのではないか」という戸惑いと、そこはかとない悲しみの色が見えて、これは名演技です。


7人に共通する何かとても大事なものの象徴、というにとどめておきます。これ以上は思いつきでうかつに書くわけにはいきません。間違いのない正解でなければ書けないこともあるのです。


最後のセリフ。
「心の中を 見抜いてほしい」
初めて聴いた時はこれが「見ないでほしい」に聞こえまして。イントネーションがおかしいなと思って正解に気づいたわけですけど、これはまぁどうでもいいことですね。


歩きながら愛理を中心に(愛理絶対エース宣言!)7人が集まってくる一連のシークエンスで『仮面ライダーV3デストロン怪人』OPのハリケーンとサイクロンが合流して併走するシーンを思い出した、というのは誰もわからないからさらにどうでもいいわけですが(苦笑)、僕らにとっての永遠のヒーローを思わせるほどの頼もしさを身につけた、と強引な物言いをしてしまうとシメとしては悪くないんじゃないかと思います。