誰宛てかわからない私信
僕らは笑ってゴールできない。
だって、いつだって、みんな手の届かないところへ行ってしまって、僕らは大事な時にかぎってほっぽり出されて、その最後の場面やターニングポイントには立ち会うことすらできない。
ならば、過程こそが帰結。
厳しい結末が待っていようと、そこに至るまでは、間違いなく楽しいんだ。
その楽しさこそが、「何があっても汚れないくらい美しい思い出」なんだ。
永遠の一瞬。
何物にも替えがたいその一瞬の幸せのために。
そこに何かが残せると、間違いなく残してきたと、無理矢理にでも信じて。
この世界のどこにもお前の見る夢はない、と世界そのものに宣告された21年前の春。
それでも夢見ることをやめられない僕は決めた。
ならば、ゴールしない。ゴールしないことが僕のゴール。
荒野の真ん中で、バカみたいに笑い続けてやる。
それはきっと「負けたくない」から。
僕の夢を、夢見ることを、潰しにくるあらゆるものに。
・・・なーんてことを書くと悲壮感が漂うけど、結局は「好き」だからなのさ。
自分で自分をどうにもできないのさ。
バカだねぇ。
目を閉じる。深呼吸する。大好きな女の子をイメージする。
自分に問いかける。
好きか?
熟した果実が木から落ちるくらい当たり前のことを聞くなボケ。
「ならいいじゃないかw」
どうだいマイフレンド、俺が惚れた女はなかなかいいこと言うと思わないか?